1954年に出版されたこのバーベキューの本は、
下にちらっと見えてる「American Way of Housekeeping」と共に
戦後の日本人向けに書かれたアメリカ生活指南書。
どちらも一冊に英語と日本語の両方で書かれてる。
アメリカ人向けには日本でBBQするための便利なレシピ集、
書かれた教育的な内容になっていて、ちょっと屈辱的で面白い。
さて、BBQの話。
日本語では「七輪」と書かれているが、英語の表紙にはHIBACHIとある。
当時の日本在住のアメリカ人がBBQをするための道具として七輪を紹介している。
日本語では「しちりん」というけれども、アメリカ人には読みにくいので
七輪のことを「HIBACHI」と呼ぶことになったと言う解説があり、
その後「FUTON」のように英語化したのでしょう。
当時、すでにアメリカ本土にもこのHIBACHIがBBQの道具として
日本から輸出されていたと書いてあったのは驚きでした。
本の中に当時日本在住のアメリカ人家庭でのBBQパーティのことが書いてありました。
5、6個の七輪を用意して、その筆者の家の庭での「バーベカクテル Barbe-cocktails」。
カクテルにありきたりの前菜を用意するのではなく、串に刺した生の肉や
ベーコンで巻いた牡蠣などを、お客さんが自分で好みに焼けるカクテルパーティは
気が利いてる・・・戦後の混沌とした日本で、生活に喘いでいる人々の暮らしの隣で
そんなアメリカ人の生活があったのかと今更ながら思いました。
さて、前置きが長くなりましたが、
昨年から我が家のBBQも
七輪が活躍を始めました。
遠赤外線効果と強い火力で
旨みを閉じ込めて一気に焼け、
2~4人くらいにはちょうどいい
大きさです。狭い網面に対して、
炭が縦長に重なっているため、
強い火力が確保され、
珪藻土の持つ効果も相まって、
うまく焼くために実によくできた
構造です。
50年以上前からBBQ好きの
アメリカ人も認めていた、
この古くて新しい最強BBQグリルとして、
今、七輪が見直されています。