野営車でいこう(VWT4版)

旧野営車エクスプローラ 2009〜2016年の記録

お別れの会

 
 
昔よく仕事をさせてもらったフォトグラファーのTさんは、最近まで元気にご活躍されていることはフェイスブックで拝見していましたが、9月にちょっとしたきっかけで本当に久しぶりに再会する約束をしていました。
 
Tさんとは、若い頃にアウトドアウエアの撮影で、一緒に上高地などにも行ったこともあります。最近のフェイスブックでも私のキャンピングカーに興味を持っていただいているようでしたし、ちょっと相談させてもらいたいこともあり、初めて京都の山奥の川沿いの家にキャンピングカーでお伺いする予定でした。
 
実は我が家の近くにも、Tさんが若いころに建てられた家があり、仕事をさせてもらっていた頃には何度も訪問したことはありましたが、京都は一度も行ったことがありませんでした。
 
ところが訪問の予定の直前に入院の知らせ。そして3週間後、突然の訃報に愕然としました。
 
家の玄関には、訪問の時に持っていくために買っていたラム酒が通販で届いた箱のまま、行き場もなくぽつんと置いてありました。京北の川の景色を見ながらTさんとキャンピングカーの中で飲むのを楽しみにしていたのに…
 
そして昨日、お別れの会がありました。どんな会になるのはわかりませんでしたが、とにかくそのラム酒は持って行くことにしました。
 
初めてお会いするマネージャーのKさんにご挨拶し、そのお酒のことを話しました。するとKさんからすぐに包をあけてもらっていいですかと言われ、そのボトルを見るとすぐに会場の中にある祭壇に向かい、小さなグラスにお酒を注いで、祭壇の遺影に飲ませるような仕草をした後、そのボトルをお供えしてくれました。
 
お供えできればいいと思っていたのに、そこまでしてくれたKさんにお礼を言うと、Kさんは、「昔いろいろとお世話になったとTから聞いていましたし、こんどのキャンピングカーでの再会を本当に楽しみにしていたんですよ」。
 
写真だけに留まらない溢れる才能の持ち主だったSさんの突然の死は残念でなりません。お別れの会には彼を愛する多くの人たちが集いました。12月と1月に京都と東京で回顧展があります。合掌