世界で最も有名な未発表アルバム「スマイル」が
ついにオリジナルのビーチボーイズの音源を元に44年目に発売された。
左の2004年のブライアン・ウィルソン版に続いて、今までブートレッグ盤の出回っていた
過去のオリジナル音源を使った本家本元の初めての完成形の発売には、CD1枚の
バージョンの他にも、この2枚組のデラックス・エディション、さらに豪華な
2LP＋5CD＋2シングルの輸入セットもあり、さすがに1967年の封印が
44年目にしてやっと解かれた作品だけのことはあります。
「ペット・サウンズ」等々、後から後から大人買い層を狙ったセットものが
少しずつ発売されるのは、世界のビーチボーイズファンにとってはうれしいことです。
このオリジナル版がやっとリリースされたことで、この歴史的幻のアルバムに
やっと終止符が打たれましたが、実は、私も友人から海賊盤を借りたこともあり
このジャケットのデザインも凡その内容もファンの間では周知のものでした。しかし
ブライアンが最終的に責任をもって完成させたこのアルバムは、彼等の円熟期の声と演奏を
最新のデジタル技術によって蘇らせ再構築させ、新しい編集で結実したもので、個人的には
2004年版のブライアンの新しく録音した作品よりも、繊細でダイナミックな当時の
素晴らしいコーラスのスリリングなセッションの感動を楽しませてくれ、改めて
ビーチボーイズのコーラスグループとしての真価が感じられるものです。
二人のウィルソン兄弟を亡くし、グループを離れソロ活動をする天才ブライアンと
残ったマイク、アル、ブルースのビーチボーイズが再びひとつになることがなくなった今、
あのポールのソロライブのステージで映像の亡きジョンとジョージがひとつとなりビートルズを
パフォーマンスした感動の埼玉アリーナのことを思い出すと、いつかビーチボーイズ
としてひとつになって再現されるライブがファンの最後の楽しみでしょうか。
