団塊の世代にとってビートルズは多感な時代の象徴として特別な存在です。数年前、埼玉アリーナでのP・マッカートニーのライブ。ステージのビッグスクリーンに映る今はなきメンバーたちとの共演に感涙したものです。そして、ビートルズと関係が強くその遺伝子を最も受け継いだ存在としてジェフ・リンがいる。彼のバンドであるELO(エレクトリック・ライト・オーケストラ)は一番行きたいライブとずっと思っていたが、もうバンドとしての活動はしていない。そして、今赤坂ACTシアターで公演中の「ザナドゥ」はそのELOの曲が散りばめられたブロードウエイミュージカル。前置きが長くなりましたが、そんなわけで赤坂に行ってきました。
J・リンの作ったオリビア・ニュートンジョンのヒット曲であり彼女の主演した映画版の「ザナドゥ」は駄作として有名。その駄作を下敷きにして作ったミュージカルなのでストーリー自体は神様が人間に禁断の恋をしてしまうという他愛もないものだけれど、その駄作を風刺するという姿勢で作っていて、堂々とその映画のことや彼女のオーストラリア訛りを扱き下ろし、80年代の軽薄なアメリカンファッションを自虐的に捉えて笑いを誘う。ステージ上にも観客席があってその狭いステージと客席を使いながらスピード感のあるコメディー風ミュージカルになっていた。