danch今月号の「日本一うまい店大集合」から選んだ大塚駅前にある「世界飯店」という何とも怪しい名前の店に友人たちと行ってきた。しかし飴色に焼き上げた鴨の写真に感じるものがあったし、ベトナム系中国人の作るこの一品が「出てくるのはファストだが、作り方は極めてスロー」という紹介文に惹かれるものがあった。
行ってみると、店内は客も少なくラジオの音が流れていてアジアンな場末の雰囲気。これは期待していいのかどうか。メニューを見ると中華とベトナムが混在、薬膳料理も充実している。とにかく、名物の焼鴨飯の焼鴨だけを注文、薬膳から髪菜粉絲(髪菜という香草の入った焼きビーフン)、五香排骨（五香粉の効いたスペアリブ）、豆鼓麻婆（トウチー入り麻婆豆腐）。他にメニューの中の赤字のお奨め品をいろいろ、さらにベトナムフォーとか生春巻きなど試してみた。薬膳は独特の風味が刺激的だけれど嫌味じゃない。焼鴨はひょっとしたらご飯に乗せた焼鴨飯にした方がさらにうまかったかもしれない。アジア系の好きなO君父子も満足していたようで、さらに好きな奥様はこの話を聞いたら絶対来そう。
最後に揚げパンというのがあったので注文してみた。油条を想像したが、そうじゃなく銀絲巻と書いてあり少し甘くて食べたことのない食感だった。もうひとつ、どうしても気になった「塩レモンジュース」というベトナムの飲料。全員が注目する中、恐る恐る試してみると、確かに少し塩っぱいが仄かな甘さの上品な味で酸味もきつくない。益々謎が深まり聞いてみると、たどたどしい日本語で教えてくれたレシピは、レモンを三ヶ月塩漬けにしたものに甘い水を加えたという、なるほどやはり手がかかってるんだ！ 紹興酒の後の爽やかな締めでした。
★★★☆☆
