わが家のリビングのトイレには小さなアンティークの壁掛け式電話機があります。いまのように携帯電話がない時代、わが家では各部屋に電話のコンセントを付けていて、いまでも通話可能ですが、このトイレの電話機は音が小さくダイヤル式なので受信のみです。キッチンの壁にもアメリカの古い公衆電話があり、やはり受信のみ可能です。
随分と前のことですが、テレビかビデオでアメリカ映画を見ていたら、この同じ電話機が出てきたので驚きました。その映画はクリント・イーストウッド主演の『アルカトラズからの脱出』(1979)で、そのアルカトラズ刑務所の場面で使われていました。
もちろんその刑務所は映画の撮影時も今もサンフランシスコ湾の観光地になっているので、実際に刑務所で使われていたかどうかはわかりません。アルカトラズというのはアル・カポネが投獄されていたことでも有名ですが、1962年に映画のモデルとなった脱獄事件が起こり、1963年に刑務所は閉鎖され、1973年に観光地として公開され、その6年後に映画化されたのです。
この電話機を買ってから偶然テレビで放映されたその映画を観て驚いたものの、その時はちょっと変わったカタチだけれど全米で使われていた古い電話機だろうと思い、特に調べたりはしませんでした。ところが、先日トイレに座って何気なくその電話機を見ていると、ダイヤルの真ん中にエリアコードと電話番号が目に入ってきました。おや?!これ検索したらどうだろう!何かわかるかも!
すぐに検索してみると、まずエリアコードは、……ずばり!アルカトラズ島を含むサンフランシスコでした!
そして番号は?さすがにそれはムリでした。古い電話番号のデータなんてないでしょうか?アメリカの国会図書館のようなところに古い電話帳が残っていてデータ化されていれば、もしかしてネットからもアクセスできるかもしれません。
もうひとつはエリアコードの次の832の局番がどのエリアかですが、今のところはよくわかっていません。
でも、もしこの電話機がアルカトラズで使われていたとしたら…いろいろとアル・カポネの時代に思いを馳せるのはちょっと楽しいです。