先日新世界行った時に、ちょうど近くの四天王寺で毎月開催されている縁日の日だったので歩いて行ってきました。
聖徳太子が593年に建立した四天王寺、どの宗派にも属さない和宗総本山だそうですが、毎月21日の弘法大師の月命日(大師会)と22日の聖徳太子の月命日(太子会)の二日間の縁日には骨董品などの露天や屋台が500以上並びます。京都の東寺の弘法市(やはり毎月21日)と並んで有名です。
20分くらい歩いて寺に到着すると何やら物々しい雰囲気。西側の鳥居(神仏習合の名残り)から先の参道の両脇に人が並び、参道は立入禁止。参道の先の門の前ではお坊さんが並んで何やら拝んでいる。一体これは何!?
それは一年に2度の彼岸に四天王寺で行われる「日想観(じっそうかん)」の瞬間に偶然出くわしたのでした。その詳細は四天王寺のブログにありますのでそちらを見てください。とにかく日想観とは西に沈む太陽を見て遙か西方にある極楽浄土を思い浮かべる修行法だそうです。
四天王寺の西門(極楽門)が極楽の東門に向き合っているという信仰は平安末期よりあったそうですが、確かに四天王寺は上町台地の高台にあり、昔はこの西門の先の鳥居の向こうには海が広がり、鳥居と門越しに落日する様は神々しく、ここが日想観の寺として定着したのも想像できます。
少しずつ傾いていく太陽を見ながら解説混じりの読経は続き、集まった人には和讃と言われるコピーが配られ、一同が念仏を唱和している様を見ていると、縁日を「お大師さん」「お太子さん」と呼んで庶民の生活に溶け込んだ寺の歴史を感じます。
太陽が沈む前に西門での法要が終わると、参拝客がどっと西門や参道を占拠。西の鳥居の落日を拝みカメラに収めていました。門から見るとちょうど鳥居の先の落日が見えました。1年に2回彼岸のこの法要は2001年に復活し、年々参加者も増えてきているそうです。
「一切衆生(いっさいしゅじょう)、みな日の没するを見よ。まさに想念を起こして正座して西に向かい、あきらかに日を観(かん)ずべし」(日想観文)
あ、目的の縁日の屋台ですが、来た時はまだ少し出ていましたが日想観を見ている間に店は終わってました(笑)