野営車でいこう(VWT4版)

旧野営車エクスプローラ 2009〜2016年の記録

<span itemprop="headline">イギリスのモーターキャラバン</span>


今回のイギリスの旅から
キャンピングカーの歴史を紐解いてみようと思います。




以前このブログで書いた「ホース・キャラバンニング」の童話、写真の右の本です。
どこでこの古本を買ったか思い出せないのですが、その本には、持ち主だったイギリスの
エセックスのブラウン家の住所が端っこにボールペンで書いてありましたが、
この本で初めてキャンピングトレーラー(ヨーロッパではキャラバン)は
元々馬に引かせていた歴史があることを知りました。

ネットで調べると、このホース・キャラバニングがイギリスで始まり、
全盛期を迎えたのは1890~1910年頃だそうです。
T型フォードがアメリカで初めての自動車の量産を始めたのが丁度1908年ですから、
これを境に馬から車への変化はキャラバニングも同じだったわけですね。

左のモノクロの冊子には「ジェントルマン・ジプシー」のことが書いてあります。
このキャラバンの歴史を綴った冊子は、今回イギリスのコッツウォルズ
小さな自動車博物館のショップで買い求めたものです。
19世紀に幌馬車で移動していた貧しいジプシーたちの交通手段を
産業革命後にイギリスで生まれた「レジャー」という習慣の延長線に
富裕層の間で流行したホース・キャラバニングは「ジェントルマン・ジプシー」と
呼ばれました。旅を続けるジプシーへの共感と、それを生活のためではなく
紳士のレジャーとして楽しむという思いが込められていました。
現存する最古のキャラバンが、イギリスのブリストルの博物館にあるそうです。







キャンピングカーを考えたときに、イギリスにはもう一つその流れを汲む
ナローボートというキャンピングボートがあります。これは現役です。
イギリスには多くの運河があちこちの町を繋いでいます。
その運河を船でレジャーとして楽しむ習慣は60年代から始まりました。
元々産業革命の時に貨物輸送の目的で作られた運河が、その役目を鉄道に取って変わられ
廃れていたものを、レジャー施設として復活させたのでした。





大きな本屋でいくつものナローボート関係のDVDがあったので
買ってきましたが、内部の様子は写真のようにキャンピングトレーラーのようです。
キッチン、ベッドルーム、そして夜はベッドに変わるダイニングがダイネッティと
呼ばれるのもキャンピングカーと同じですね。60年代から始まったということは
これは逆にキャンピングトレーラーから引き継いだものかもしれないです。
免許は要らないので、その気になれば旅行者でもレンタルして優雅な
船旅ができるようなので、そんな経験をした日本人もいるんじゃないかと思います。

イギリスだけでなく、
以前スペインからフランスに続く海沿いのハイウェイを
休日になるとキャラバンの長い列が続く景色を見た時に
レジャー先進国の歴史を感じたものです。
南仏の美しい海を「リゾート」として最初に開発したのもイギリス人ですが、
キャンピングカーも、そして「レジャー」という今では当たり前の習慣を
最初に創ったのがイギリス人ということを今回初めて知りました。
コッツウォルズから始まった自然回帰への流れや
産業革命後から現代まで続く流れの中で、やはりイギリスには
様々なオリジンとなる主発点があるんですね~
今は不景気で道路がガタガタでしたけど(笑)

我が野営車のふるさとイギリスを訪ねた
今回のロンドンレポートは、長々と続きましたが
これでおしまいです。



(今回「オートキャンプ歴史博物館」の記事の一部を参考にさせていただきました)

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