野営車でいこう(VWT4版)

旧野営車エクスプローラ 2009〜2016年の記録

<span itemprop="headline">川を巡る地図の旅</span>


少し前のことですが、河川について調べるのがちょっとしたマイブームになっていました。昨年の秋、高槻の神峯山寺に紅葉狩りに行った時、途中で見た芥川という川が気になったことがきっかけです。
普段ふと見かける大小の川。地元出身でないから、子供の頃からの原風景や情報の蓄積があまりないので、気になって調べていくと、断片的な情報が地図の上で繋がっていき、そしてさらに旅先で見た河川へと地図の旅の興味は尽きない…


【Yahoo地図の水域図】
そんな時に役に立ったひとつが、Yahooのサイトやスマホアプリで利用できるYahoo地図。メニューアイコンをクリックすると地図が選べるようになっていて、その中に「水域図」というのがある。地図から河川や池などを強調した地図。
デジタルの地図が便利なのは拡大縮小ができること。拡大すれば小さな川や運河、堀川の水系がどうなってるのかがよくわかる。
面白いのは水路のある豊かな暮らしが今でも残っている古い街、琵琶湖周辺の長浜や高島などは昔のままに残った水路が網の目のようになっているのがよくわかる。
ただ、このYahooの水域図では細かい河川名までは記載されていない。


▲Yahooの地図の右上のメニューから「水域図」をクリック…


▲同じ地図が「水域図」に変わる


【詳細な河川網図】
詳細な河川名まで知りたいとなると、帝国書院とか平凡社などの地図帳だが、それでもすべてを網羅しているわけではない。ネットで調べるてみると、大阪府のサイトでは「河川網図」にかなり詳細な地図がアップされていた。全国的な情報としては国土交通省のサイトの「日本の川」に情報があるが地図の解像度が悪く、それよりも各都道府県のサイトの方が詳細な情報が得られる。


大阪府の河川網図


▲クリックするとさらに詳細な地図に


▲東京都のサイトは整然とよくまとまっている


地図で河川を辿っていって面白いのは支流から本流へと合流していくその河川網。日本で一番支流の多い淀川だけでもその流れの歴史を紐解くのも面白い。
淀川は琵琶湖から瀬田川宇治川→淀川と名前を変えて大阪湾に流れるが、多くの支流のひとつが淀川の長柄橋あたりから始まる大川(旧淀川)。その流れは天神祭で賑わう天満橋あたりで中之島を挟んで堂島川土佐堀川に分岐する。それが再び中央市場あたりでひとつとなり、さらに十津川と合流し安治川(旧淀川)となり大阪湾に流れる。その合流地点である川口は明治の頃、港として栄え外国人居留地区となったが、安治川が大型船には不向きなため、やがてその機能は神戸へと移った。川口周辺には教会など、居留地の面影が今も少し残っている…

【幻の蜆川】
かつて新地本通りの南側に川があった。堂島川から今の裁判所のあるあたりで分岐した蜆川(曾根崎川)は曽根崎から堂島に至る北新地を流れ、堂島川土佐堀川との合流地点で3つの川が合流していた。心中天の網島などの舞台にもなったが大火のため埋め立てられ、いまは桜橋とか出入橋とかの地名だけがその川の存在を偲ばせている…


▲新地本通り横には石碑と曾根崎川跡の地図が並んでいる


▲石碑

岡山に西川という川を挟んで飲食街が続いている。川には並木が続き、所々に小さな公園もあり、赤提灯と川の流れが街の風情となっている。京都祇園の飲食街を流れる白川周辺は多くの観光客で賑わう。豊かな川は風景に潤いを与える。
こんな風に、蜆川がもし今でも北新地を流れていたら、どんな風景になっていただろう。想像するのも楽しい。


▲西川


▲白川

さて、こうして普段見かける川を地図の上で追いかけていくのもいいが、事前に調べた川を巡る旅も面白そうです。今年決めたキャラバンのテーマのひとつになりそう…