野営車でいこう(VWT4版)

旧野営車エクスプローラ 2009〜2016年の記録

<span itemprop="headline">4Kテレビとアップル</span>



 先日、朝日新聞のヘッドライン「4Kテレビ放送が始まる」という記事に違和感を持った人は少なくないんじゃないかなと思う。惨敗した日本のテレビの起死回生をかけて、いまのアベノミクスに便乗してジャパンブランドに勢いをつけようという意図は感じても、同時に何か唐突な感じは否めない。

 今年のラスベガスの家電ショーで日本勢は4Kテレビをメインでキャンペーンしていたが、それを見た第一印象は、3Dテレビのように失敗しそうと感じてしまった。国が後押しして4K放送の前倒しといっても、高額な商品を買って、それを見たいと思っている人はどれほどいるんだろう。オーバースペックじゃない? (オーバースペックで普及しなかったスーパーオディオやDVDオーディオのことを思い出したりもする)

 韓国のテレビは昔は安いだけというイメージだったのが、いまは世界一のシェアになってるのは、サムスンのイメージが決して悪くないからで、そのきっかけになったのが、もう6年前にアメリカでヒットしたワイングラスのデザインをモチーフとした「ボルドー」というサムスン液晶テレビだったのを覚えている。それは韓国がデザインを武器に攻めに入った出発点で、その戦略がアメリカのユーザーの心を捉えた。そしてその後の価格下落で、日本との競争が過熱、ついに日本のテレビはジリ貧状態になって久しい。これから、さらに4Kで攻めたとしても、どれだけ需要があるのか、益々世界から取り残されていくいくんじゃないかと気になるのは私だけでしょうか。

 ふと、最近同じような感がするのが、アップルのことだ。最近のアップルの新製品はラティナディスプレイの美しさや、iPhone5の薄さや、そういうスペックのプレゼンテーションに終始して、ジョブズが元気だった頃の、わくわくするような新しいスタイルの提案がなくなった。彼が亡くなる前後、アップルの次の攻めはテレビだ、と言われて、アップルが一体どんなテレビを提案してくるのだろうと、ちょっと期待をしていたけれど、その後まったく新しいニュースは見えてこない。おまけに、新しいiPhoneのマップのお粗末さに社長が謝罪したり、最近は株価下降が止まらないというニュースも聞こえてきて、今更ながらジョブズの損失の大きさを感じる。最近のそんな状況を見るにつけ、ニッポンのテレビ もアップルも、あの頃のように頑張って欲しいと願う今日このごろです。