銀座と築地と汐留に囲まれ、旧歌舞伎座や新橋演舞場に近い木挽町と言われたこの周辺の路地裏も少しずつ古い店が消えている。築地市場が移転をすれば、このあたりの再開発もさらに進むかもしれない。すでに、朝日新聞社の裏は大規模な解体が進んでいた。
二日間の東京、家内が風邪で食欲が無いというので、寿司をやめて、ホテルの近くのこの界隈にある「あさみ」の鯛茶漬けでランチにした。濃厚なゴマだれに浸かった鯛をよく味が馴染むように混ぜ、そのままご飯に乗せ、後半熱いお茶を掛けるのはひつまぶしと同じ。熱い緑茶を掛けると少し鯛が柔らかくなり、味も優しくなる。この近くにある竹葉亭の向かいに、この鯛茶漬けのマグロ版をランチにする店があり、そちらも捨てがたく、いつも行列ができていたが、店がなくなってからは、自分でもそのゴマだれのレシピに挑戦したことがあった。店を出ようとしたら、カウンターの奥に懐かしい顔が見えた。退社した会社の女性社員の二人連れ。定年後にオフィスが築地からこの近くに移転をしたので、この店も普段のランチエリアに入ったという訳だ。家内を紹介して、しばらく立ち話をしてから店を出た。
▲濃厚なゴマだれは癖になる
