今日お招きいただいたNさんほど銀座の洋食店がお似合いになる紳士も少ない。サッカー地のストライプのジャケットに蝶ネクタイとハットが嫌みでないのはそのお人柄と円熟した年齢だと思う。自分も憧れるんだけど体型的にも年齢的にもコメディアンになっちゃう(笑)いい意味で枯れた味というか円熟味が滲み出る歳まで待つということでしょうか。そんなNさんと銀座通りにある「資生堂パーラー」でランチをご馳走になった。
Nさん:勘三郎さんが好きなものって何でしたっけ?
給 仕:ハヤシライスでございます
Nさん:じゃあ、それお願いします
そんな会話が嫌味でないのがお人柄です。以前、やはりご一緒させてもらった洋食店「南蛮銀圓亭」はさらに年齢層が高く、お洒落な老夫婦やNさんのような老紳士がお一人で食事されているのがよく似合っていた。築地が明治に外国人居留地として拓けその延長線上に銀座がハイカラな町として栄えた歴史が、銀座の洋食文化をつくり現在まで脈々と繋がっている。